オーストリアの世界遺産で少しトラブルに見舞われたお話です。
海外旅行中は写真を撮らない。
この光景を目に焼き付けるんだ。
海外一人旅を始めた頃、私の中でポリシーにしていたことでした。
そのポリシーは、ハルシュタット湖の美しさの前に脆くも崩れ去ります。
そして同時にそれがちょっとした悲劇のトリガーとなりました。
ミュンヘンからザルツブルクへ
テニスのミュンヘンオープンの観戦に私はドイツを訪れていました。
ドイツ料理の肉肉しさに飽き飽きしていたため、
ハルシュタット湖畔のレストランで出てきた久しぶりの魚料理に舌鼓を打っていました。
ハルシュタット湖は最寄りの鉄道駅からボートで10分ほどの距離にあります。
レストランそばのボート乗り場では、鉄道駅を目指す観光客が数人、列をなしていました。
時間はまだ夕方17時過ぎ。
"この美しい湖畔でもう少しゆっくりしていけばいいのにな"
私は魚料理をつまみにワインをゆっくり堪能しレストランを後にします。
ボート乗り場の前に行くと他の観光客の姿が見当たりません。
最終のボートは私がワインを飲んでいる間に出発していました。
今にして思えば大した出来事ではないのですが、
当時の私は是が非でも湖の対岸にある鉄道駅に行き、
ザルツブルクのユースホステルにその日のうちに戻らなければいけないという強迫観念に駆られていました。
"どうしよう‥"
To be continued..