20年ほど前のテニス雑誌にはこの本の広告がよく載っていた。
- 作者:ギルバート,ブラッド,ジェイミソン,スティーブ
- メディア: 単行本
著者は世界ランキング4位にまで上り詰めたプロテニスプレーヤー。
悪童ジョン・マッケンローの天敵にして、アンドレ・アガシを不調の底から世界1位へと蘇らせた戦略家。
主に授けてくれる戦略は、以下2点。
・準備をしっかりしよう
・計画性を持とう
試合前に人よりも精神的・肉体的な準備をし、
試合中に頭を使ってプレーすることで、
自分よりも強い相手に勝つことが出来るよ
と知恵を授けてくれる。
30歳になった錦織圭
先の全仏オープンで"マラソンマン"と揶揄された錦織圭には、
恐らくこの本は必要ない。
※マラソンマン:5セットマッチで5セットに突入すると突出した勝率を誇る
いわゆる無類の勝負強さを持つ錦織は、
戦略性に富み
相手への観察眼もあり
自己修正能力も高い。
日本においては過小評価されている節があるが、
技術・知性・俊敏性においてはきっとロジャー・フェデラーにも引けを取らない。
※サーブ、メンタルを除く
具体的な戦略
印象的と言える戦略は以下2つ。
①スタートダッシュでリードを奪え
②セットアップポイントが大切
①スタートダッシュ
相手が眠っている最初の2ゲームくらいをポンポンと取ってしまおう。
相手の身体が温まる前に。
相手の頭が眠っている間に。
②セットアップポイント
ゲームポイントの1つ前のポイントが実は重要。
30-30,30-15,30-0など、
そのポイントを取ればゲームポイントに王手をかけられる時にこそ集中する。
30-15の時など、
"セットアップポイントだ"とぶつぶつ言いながら集中力を高めている。(私の場合)
秀逸な翻訳家
同書を日本語に翻訳したのは元ダブルス世界チャンピョンの方。
そのため原書のニュアンスが忠実に翻訳されている。
場合によってはその方のエッセンスも加味され、良書がより良書になっている。
Winning Ugly: Mental Warfare in Tennis--Lessons from a Master (English Edition)
- 作者:Gilbert, Brad,Jamison, Steve
- 発売日: 2013/05/28
- メディア: Kindle版
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